不斉反応場クラスター <展開型>

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「非中心不斉」化合物の不斉合成、不斉反応場としての応用を目指す

リーダー 小笠原 正道

メンバー 柴田 哲男、吉田 和弘、野村 琴広、神川 憲、西原 康師、阿部 竜、中島 誠、中野 環

本研究では、軸不斉、軸不斉、螺旋不斉といった「非中心不斉」を有する化合物の効率的な不斉合成法の開発、およびそれらのキラル化合物の不斉試薬、不斉触媒、不斉反応場としての応用を目的とする。

立体選択的合成手法、とりわけエナンチオ選択的合成反応の開発は近年の合成化学における最も重要な課題の一つであり、活発な研究が行われている。しかしながら、この分野の従来の報告例のほとんどは、炭素上に中心不斉を誘起するものであり、「非中心不斉」を有する化合物の触媒的不斉合成の成功例は非常に限られている。一方、軸不斉・面不斉を有する化合物は、不斉合成反応における効果的なキラル・テンプレートであることが知られている。すなわち、「非中心不斉化合物」の不斉合成は、潜在的な「不斉触媒種(あるいはその前駆体)」の不斉合成ととらえることができる。

Scheme. 1 Kinetic Resolution of Racemic Planar-Chiral (Arene)chromium Complexes by Molybdenum-Catalyzed Asymmetric Interannular Ring-Closing Metathesis.