天然炭素資源活用研究クラスター＜展開型＞

天然炭素資源を固体触媒の協働機能により基幹化学品へ転換する

菅沼　学史

加藤　英樹（東北大）、北野　政明（東京工業大）、野上　敏材（鳥取大）、野村　淳子（東京工業大）、森　浩亮（大阪大）

本クラスターの目的は，複数の活性サイトをもつ固体触媒の協働機能を利用して，天然炭素資源を基幹化学品へ転換する触媒反応をデザインすることである．

多様な極性官能基を有する天然炭素資源を基幹化学品へ変換するためには，極性官能基のC-O結合，C-N結合，C-C結合，C-H結合を自在に開裂する触媒反応プロセスが必要となる．これまでに貴金属ナノ粒子と低原子価酸化物種の協働作用により，カルボン酸・アミドの水素化，水酸基やエーテルのC-O結合開裂が促進されることを見出してきた．単一の活性サイトでは不可能な官能基変換反応に対して複数の活性サイトをもつ協働機能触媒をデザインし，天然炭素資源の多様な官能基を自在に開裂・結合する触媒反応プロセスを構築する．ターゲットとする基質はバイオマス由来の小さな有機分子に限定せず，セルロースやキチンなどの天然高分子や廃プラスチックなどの解重合・分解にもチャレンジする．