所長挨拶

グローバル課題の解決にむけて

所長  長谷川 淳也

朝倉清前所長の後任として、平成30年度を迎えるにあたり、ご挨拶申し上げます。
 本研究所の設立は、昭和18年(1943年)の触媒研究所の設立に遡り、平成元年(1989年)に触媒化学研究センターとして、さらに平成27年(2015年)に今日の触媒科学研究所として改組されました。現在、研究所では、革新的触媒の開発と学理追究を担う基礎研究系8部門、研究成果の実用化および産業界ニーズの技術シーズ化を担う開発系1部門が基盤的研究開発を推進しています。これらと共に先端的な触媒科学に関する研究を実施するターゲット研究部は6クラスターで構成され、リーダーである准教授が主体的に国内外の研究者を交えて運営し、特定の重要研究課題の解決を目指した研究を行っています。附属の研究施設である附属触媒連携研究センターには、ユニットと呼ばれる6つの組織があり、刻々と変化する社会的要請に対応するために、柔軟かつ戦略的に外部との連携を組織化しています。最先端の研究を支える研究支援技術部は、ガラス加工、金属加工などで研究を技術的にサポートします。また、国外の触媒研究拠点とは研究・教育活動の連携パートナーとして、積極的に学術交流協定を締結しています。
 本研究所は、平成22年(2010年)に文部科学省から共同利用共同研究拠点として認定を受け、国内の触媒研究に従事する研究者の利用に供すべく拠点活動を行って参りました。触媒コミュニティーと共に設定した戦略的研究課題と研究者の独自の発想に基づく研究課題への公募を行い、共同研究を端緒とする新しい触媒科学の構築を目指しています。また現在、拠点活動の国際化を推進するために、共同利用の国際公募を計画しています。併せて、国内の優れた研究成果を海外に周知するための情報発信型シンポジウム、国内外の研究者への技術指導や社会への貢献を目的とする触媒高度実践研修プログラムを実施し、拠点としての役割を果たしています。
 さらに、平成22年(2010年)より名古屋大学物質科学国際研究センター、京都大学科学研究所附属元素科学国際研究センター、九州大学先導物質化学研究所と共に統合物質創成化学研究推進機構に参画しています。これら研究所間の共同研究を通して、化学・物理・生物にまたがる物質階層と合成概念を統合する新学術基盤を創成し、同時に若手研究者の育成を図っています。
 資源や環境などの問題が顕著になっている昨今、物質変換とエネルギー変換は、豊かな生活の基盤のみならず、生命の存立基盤を支える技術になりつつあります。これらの課題解決の手段となる触媒開発の社会的重要性は益々高まりつつあり、学理の追究とイノベーションを双輪として推進すべく、清水研一副所長、中野環連携センター長をはじめ研究所構成員一丸となって全力を尽くす所存です。これまでにも増して、皆様からのご協力ならびにご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

平成30年4月