物質変換研究部門

研究室ホームページへ

固体触媒の分子設計と再生可能エネルギー・資源のための触媒反応開発

教授 福岡 淳 助教 シュロトリ アビジット 

本部門では、分子レベルで設計した固体触媒を再生可能資源の変換反応の開発に応用している。一例として、非食料の植物バイオマス(セルロース、ヘミセルロース、リグニン)を分解して、糖化合物や芳香族化合物などの有用化学品に変換する固体触媒の研究を進めている。最近、セルロースを単純な活性炭と混合粉砕することによって、非常に低濃度の塩酸中でグルコースを高収率で得る手法を開発した(図1)。炭素触媒のさらなる高活性化ならびに作用機構の解明をめざしている。

また、メソポーラスシリカ担持白金触媒Pt/MCM-41が非常に高い効率でエチレンを除去することを見出した。この触媒系では、0℃の低温下においても50ppmという低濃度のエチレンが完全に除去されること、加熱によって触媒の繰り返し利用が可能であることを確認した(図2)。反応機構の解明や他の揮発性有機化合物(VOC)を除去する触媒の開発を行っている。

Fig. 1 Hydrolysis of cellulose catalyzed by activated carbon. Fig. 2 Low-temperature oxidation of ethylene over Pt/MCM-41.