高分子機能科学研究部門

研究室ホームページへ

高分子・超分子の精密構造制御による機能性材料の開発

教授 中野 環  宋 志毅 助教 坂東 正佳

当部門では構造制御された高分子および超分子を合成し、先端材料として応用することを目指している。重合触媒およびモノマー構造の設計により、らせん高分子、π-スタック型高分子、ハイパーブランチ型高分子などの分子構造および高次構造を制御している。加えて、液晶などの分子間構造制御法も開発している。これらにより、光機能、電子機能、キラル機能、触媒機能等の高度な機能を発現する新物質・材料の創成を目指している。

図1はπスタック型構造を有するポリジベンゾフルベンの構造を示す。当研究室で初めてπスタック型構造をビニルポリマーに対して制御することに成功した。この特異な立体構造に基づいて、このポリマーは興味深い光・電子物性を示す。光電子物性は主鎖共役系高分子にのみ特異的なものと考えられていたが、ビニルポリマーの構造制御によってより優れた材料が開発できること明らかにした。

Fig. 1 Structure of poly(dibenzofulvene), the first π-stackde vinyl polymer.