混成電位駆動型触媒研究クラスター<展開型>
混成電位駆動型触媒反応の学理を構築し、カーボン系触媒による応用と酵素反応系の理解へ
武安 光太郎
近藤 剛弘(筑波大学), 大西 洋(神戸大学), 井上 茂義(Technical University of Munich), Santosh K. Singh(Shiv Nadar University), 白木 賢太郎(筑波大学), 中村 潤児(九州大学)
混成電位駆動型反応は、単一の触媒粒子上で、アノード反応とカソード反応がペアとなって進行する反応系で、最近不均一系触媒分野で注目を集め始めている。その速度論的なメカニズムの全貌は明らかになっておらず、我々は最近、反応選択性に関する理論の枠組みを出版した。モデル触媒として分子吸着系や酵素を扱い、溶液内分光法、プローブ顕微鏡を駆使することで、混成電位駆動型反応の直接的検証を行う。また、CO酸化およびCO2還元のための粉体触媒や酵素反応系を用いた検証も進める。得られた電場形成や物質輸送のメカニズムを触媒設計に反映する。
また、混成電位駆動型反応を理解するうえで重要となる局所的な電子移動のメカニズムを、カーボン系触媒におけるO2およびCO2還元反応をモデルとして明らかにする。特に、局所的な電子構造が分子吸着および電子移動をコントロールするメカニズムを明らかにし、原子レベルの触媒構造設計指針を得る。